Glossary

用語集

エフェクチュエーションに関連する用語を五十音順で解説

エキスパート・アントレプレナー

Sarasvathyのエフェクチュエーション理論において、熟達した起業家経験を通じてエフェクチュエーション的思考様式を身につけた起業家を指す。初心者起業家との認知的差異が、理論の実証的根拠となった。

エフェクチュアル・アスク(Effectual Ask)とは?

エフェクチュエーション理論においてステークホルダーからコミットメントを獲得する際の対話技法。目的・相手・要求内容をあえて開放したまま始める「問いかけ」のアプローチ。

エフェクチュアル・サイクル

エフェクチュエーション理論における動態的なプロセスモデル。手中の手段からの行動、ステークホルダーのコミットメント獲得、資源の拡大と目標の再設定が循環的に進行する起業プロセスの概念。

エフェクチュエーション

熟達した起業家に共通する意思決定の理論。手持ちの手段から出発し、許容可能な損失の範囲で行動するアプローチ。Saras Sarasvathy が2001年に提唱。

クレイジーキルトの原則

競争分析よりもパートナーシップを重視し、コミットメントを持つステークホルダーとの協力関係を構築するエフェクチュエーションの原則。

コーゼーション

目標を先に定め、その達成に最適な手段を選択する因果論的な意思決定アプローチ。エフェクチュエーションと対をなす概念。

ナイトの不確実性

確率分布すら推定できない真の不確実性。Frank Knight が1921年に定義した概念で、エフェクチュエーション理論の前提条件となっている。

プレコミットメント

エフェクチュエーションにおいて、ステークホルダーが事業の成否が不確実な段階で具体的なリソースを投入する約束をすること。クレイジーキルト原則の中核概念。

プレコミットメント戦略の実践ガイド

エフェクチュエーションにおけるプレコミットメント(事前コミットメント)の概念と実践法。ステークホルダーの自発的コミットメントを戦略的に引き出し、不確実性を縮減するクレイジーキルト原則の応用技術。

メイカブル・マーケット(Makeable Market):エフェクチュエーションによる市場創造の定義

市場は発見するものではなく、手段とパートナーの組合せを通じて起業家が創造するものだというエフェクチュエーションの市場観。Sarasvathyの中核的主張を表す概念。

レモネードの原則

予期せぬ出来事をリスクとして回避するのではなく、レバレッジ可能な機会として活用するエフェクチュエーションの原則。

許容可能な損失

期待リターンではなく「失っても許容できる範囲」を基準に投資判断を行うエフェクチュエーションの原則。Affordable Lossとも呼ばれる。

共創(コ・クリエーション)

エフェクチュエーション理論における共創とは、起業家とステークホルダーが相互のコミットメントを通じて新たな市場・製品・価値を共同で形成するプロセスを指す。事前に設計された価値提供ではなく、関与する主体の協働から価値が創発する点が特徴。

手段ドリブン

目標から逆算して手段を選ぶのではなく、手元にある手段から可能な行動を構想するエフェクチュエーション的アプローチ。手中の鳥の原則の行動様式。

手中の鳥(Bird-in-Hand)の実践的活用法

エフェクチュエーションの手中の鳥原則を実践に落とし込む方法。WHO/WHAT/WHOMの3軸による手段の棚卸しから始める行動設計の実践ガイド。

手中の鳥の原則

目標から逆算するのではなく、手持ちの手段(Who I am / What I know / Whom I know)から出発するエフェクチュエーションの第一原則。

新市場創造

エフェクチュエーション理論における市場の捉え方。市場は「発見する」ものではなく、ステークホルダーとの相互作用を通じて「構築する」もの。Sarasvathy (2001)のエフェクチュアル・ロジックの核心概念。

非予測的コントロール(Non-predictive Control):未来を予測せず制御する起業家の論理

予測に基づくコーゼーション的意思決定に対し、行動とコミットメントによって未来を直接形成するエフェクチュエーションの中核的論理。Sarasvathy(2001)が提示した概念。

飛行機のパイロットの原則

未来を予測して適応するのではなく、コントロール可能な範囲で未来を能動的に創造するエフェクチュエーションの根幹原則。

不確実性の種類

リスク・ナイトリアン不確実性・真の不確実性の違いを定義し、エフェクチュエーション理論がなぜ「真の不確実性」に対処する理論として提唱されたかを解説する。意思決定フレームの選択に直結する重要な概念区分。